2017年11月6日月曜日

【回転窓】働き方先進地の知恵は

「アイデアは食事中に頭に浮かんでくることもある。仕事とプライベートの切り分けが難しい」。そんな話をある建築設計者から聞いた▼話の発端は話題の働き方改革。確かにアイデアは時間や場所を選ばない。建築設計者の中には夜間にアイデアを練り上げる人も多いという。多くの業種がある建設産業の働き方の議論の難しいところだ▼働き方改革の先進地は欧州。経済協力開発機構(OECD)の雇用動向調査によると、加盟35カ国のうち労働者1人当たりの平均年間労働時間が短い上位10カ国は欧州各国が占めている▼この調査で日本の平均年間労働時間は1713時間。筆頭格のドイツは1363時間だ。1日の法定労働時間8時間で割ると、日本の労働者はドイツより44日も長く働いていることになる。一方で、平均年間実質賃金は日本の3・9万ドルに対し、ドイツは4・6万ドル。ドイツは生産性向上によって短時間勤務を実現しているということだろう▼先進国の知恵を学び取ることは、明治維新、戦後の高度経済成長を成し遂げた日本人の得意なところ。働き方改革でも欧州先進各国の事例からもっと学びたい。

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