2017年11月27日月曜日

【建設業の心温まる物語】剋真建設・竹田秀一さん(栃木県)

 ◇バックホウのオペレーターとの出会い◇

 私が今の仕事に就くきっかけとなったのは、工事現場で働いていた一人のバックホウのオペレーターとの出会いでした。当時小学生だった私は一人で自転車に乗り家に帰る途中でした。ところが、よそ見をした際に、転んで自転車ごと土手の下まで落ちてしまいました。

 幸い、怪我はしませんでしたが、自転車を引き上げられず途方に暮れていました。そのとき、工事現場にいた一人の作業員の方が私を発見してくれたのです。

 「自転車が落ちて引き上げられないのです」というと、その方は「よし、俺に任せろ」と作業を中断して自転車を引き上げてくれました。私はホッとした気持ちと恥ずかしい気持ちが強く、お礼も満足に言えませんでした。

 高校に進学し、同じ道を自転車で通りかかった時、偶然、あの時の作業員の方と出会いました。作業員の方は私のことは忘れていましたが、改めてあの時言えなかったお礼を伝えました。すると

 「バックホウに乗ってみないか」と声をかけてくれました。私は、ドキドキしながらバックホウの運転席に乗せてもらいました。大きな機械に乗せてもらい、とても感動したことを覚えています。

 その後、私はその体験の影響もあり、土木関係の仕事に就くことになりました。私には3歳のこどもがいます。バックホウに興味があるようなので、あの時の作業員の方と同じように現場に連れて見せてあげています。こどもがもう少し大きくなったら、「父ちゃんの仕事はこういうことをしているんだぞ」と教えたいと思います。

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