〈風邪でも、絶対に休めないあなたへ。〉。朝の通勤の地下鉄車内で、つり革越しにふと目をやった網棚上の広告に、そんな文言が大書されていた。他の広告の横4枚分ぶち抜き。某製薬会社の風邪薬の宣伝である▼風邪で体調を崩しても絶対に休めない仕事とはどういう仕事か。広告からは不明だが、満員電車の中で「仕事、仕事!」とけしかけられるような広告はあまり気持ちのよいものではない▼風邪をひきながら無理をして仕事に出てくる人は、見方を変えれば、あちこちにウイルスをまき散らして歩くはた迷惑な人でもある。製薬会社はもうけても医療費の膨張を招き、働き方改革にも逆行しよう▼いうまでもなく、風邪に特効薬は存在しない。ドラッグストアに並ぶあまたの風邪薬は、どれも例外なく熱やくしゃみ、鼻水などの不快な症状を緩和してくれるだけ。必要なのは休養と栄養である▼秋の深まりとともに、通勤の車内にもマスクをした人を多く見るようになった。今年はインフルエンザの流行も例年にない早さだそうである。風邪をひいても我慢と根性で仕事-。それを美徳とする風潮こそ変えなければ。
特定の広告を狙い撃ちで批判するのは社説として如何なものでしょうか?
返信削除また日本を支えてきた仕事第一主義にもちろん弊害はあるでしょうが頭ごなしに迷惑とまで断じられるとよい気持ちがしません。