◇一人前の土木技術者に◇
建築に携わっていた祖父、そして父の背中を見て育ち、「ものづくりがしたい」と思っていた。大学を受験する時、建築を専攻する姉と話して、「造園を学べば、2人で家が建てられる」と農学部に進学することにした。
大学で農家の手伝いなどをするサークルに入ったことで、農業に関連したものづくりに興味が湧き、農業土木専門のコンサルタント会社に就職した。出産を機に退職するまでの6年半、行政が行う農道、かんがい施設などの設計・整備に携わってきた。
夫の実家がある江戸川区への転居を契機に2011年、区役所の職員に。土木部計画調整課計画係に配属され、道路整備計画の策定や道路のバリアフリー化を担当した。この間、小学校の出前授業で、道路のバリアフリー対策として交差点などの巻き込み部の段差解消や点字ブロックについて説明した。児童たちがその内容を「新聞」にしたのを見て、「バリアフリーの大切さを分かってくれたんだ」とうれしくなった。
17年に現在の部署に異動し、設計係で区道や橋梁のメンテナンスの設計を担当する。「計画、設計、工事、維持管理という土木の一連の流れを理解して一人前になる」ことを志し、目の前の仕事に一生懸命取り組む。
2歳と8歳という2人の子育てと仕事を両立するのは苦労の連続だが、「同僚たちに助けられている」と、いつも感謝を忘れない。
(はらぐち・りょうこ)
0 comments :
コメントを投稿