仕事で利用した駅のホームに、大きなキャリーバッグを持って楽しそうに話す若者たちがいた。この時期ならきっと仲のいいグループで行く卒業旅行だろう。皆の笑顔から普段とは違った旅に行くことがすぐに伝わってきた▼学校の卒業を記念した旅行はいつ頃から広まったのか。行き先こそ海外ではないが、昭和30年代から卒業旅行が盛んになっていったようだ▼そんな卒業旅行も時代とともに変わり、現在は複数回行く若者も珍しくない。総合旅行サイトを運営するエクスペディア・ジャパンが社会人1年目の若者に実施したアンケートでは、過半数が「卒業旅行は2回以上」と答えた▼今後はシニア世代に加えて感度の良いミレニアル世代(1980~2000年代初頭に生まれた若者)が成熟した旅行市場を先導すると見られている。現に北米の予約サイトではミレニアル世代の利用がほぼ半分を占め、収益の35%を生み出しているという▼友人たちとの卒業旅行は大切な思い出づくりの数日間になろう。「ミレニアル世代の価値観は?」などと頭を巡らせるまでもなく、特別な旅であることに時代や世代の違いはない。
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