鉄道業界でインバウンド(訪日外国人旅行者)向けのプロモーション活動を強化する動きが目立ってきた。
東京メトロは都市鉄道の整備などを支援するベトナムでの訪日プロモーション活動を強化。自社CMで起用する「ドラえもん」を前面に出した情報発信に力を入れる。JR東日本はインバウンド向け情報発信カフェ「JAPAN RAIL CAFE」をシンガポールに続き、18年度中にも台湾で開業する。
インバウンドの増加を後押ししながら、自社路線の利用拡大につなげる狙いだ。
2020年東京五輪・パラリンピックのオフィシャルパートナー(旅客鉄道輸送サービス)でもある両社は、インバウンドなど観光振興の関連施策を積極展開している。
東京メトロは今月から1年間、ベトナム国内で訪日時に自社運行線の利用を促すプロモーション「Let “Tokyo Metro” Lead you across TOKYO」を展開する。
同国を含めアジア圏で人気の高い「ドラえもん」をキャンペーンキャラクターに起用した。ハノイ、ホーチミン両市での都市鉄道整備支援など、都市交通機能の向上に携わる東京メトロの取り組みをドラえもんが紹介。訪日需要の喚起と東京メトロの路線利用につなげる。
現地での主な取り組みは▽ベトナム最大規模の旅行博覧会へのブース出展(29日~4月1日、ハノイ市内)▽ベトナム語版Facebookの開設▽ベトナム語の特設プロモーションサイト開設(3月27日から)-など。特設サイトでは東京メトロ9路線で東京を観光する動画を公開し、お気に入りの動画投票で東京旅行が当たるキャンペーン(9月開始予定)などを企画している。
JR東日本は、16年12月にシンガポールの中心ビジネス地区にインバウンド拠点として「JAPAN RAIL CAFE」を開業。日本各地域の情報発信や各種イベントを通じた文化交流などを展開している。
訪日需要が旺盛な台湾でも、訪日旅行に関する情報発信や日本に関心の高い人たちの交流の場となる「JAPAN RAIL CAFE 台湾店(仮称)」を18年度中に台北市に開業する計画だ。
施設内には、同社が取り扱う鉄道パスの販売や訪日旅行のサポートなどを行う訪日カウンターを設置。日本の食文化の発信機能(飲食提供、商品販売など)、テーマ性のある日本関連の情報発信機能なども導入する。
日本政府観光局(JNTO)の調べによると、インバウンドの17年推計値は前年比19・3%増の2869万1000人で過去最高を更新。700万人超の中国、韓国に次ぐ市場規模の台湾は9・5%増の456万4100人。ベトナムも32・1%増の30万8900人となり、訪日需要が一段と高まっている。
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