2018年3月20日火曜日

【回転窓】幸福の物差し

国連の関連機関が公表した18年版「世界幸福度報告書」でフィンランドが昨年の5位から1位に浮上した。2位はノルウェー、3位がデンマークと北欧3カ国が上位を占めた▼気になる日本の順位は54位で昨年から三つ順位を落とした。順位付けは調査方法や判断基準によって結果が大きく変わる▼150カ国以上が対象の幸福度調査は各国で毎年1000人、3年間にわたって幸福度を10段階で評価してもらい、収入などの要素も加味し集計している。幸福を測る世界共通の物差しはない。人生で何を重視し幸福を感じるかは千差万別。幸不幸は個人の感じ方次第であろう▼宇宙物理学の権威、英国のスティーブン・ホーキング博士が先週、76歳で亡くなった。20代で筋肉が衰える難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発病。「余命数年」という宣告を医師から受けながら学究生活を続け、宇宙の謎を解く研究で成果を発表し続けた▼電動車いすで移動し、人工音声合成装置で意思表示する生活。学術分野だけでなく障害者の支援など幅広く行動した博士の足跡を振り返った時、「幸福とは一体何か」と改めて考えたくなる。

0 comments :

コメントを投稿