祖父や父が携わっていたので建設業を選びました-。建設現場の技術者・技能者に入職のきっかけを尋ねれば、男女を問わず最も多い回答がこれではないだろうか▼子どもの目から見ればとてつもなく大きなものを作っている建設現場は魅力的でわくわくするし、そこで自分のお父さんが働き作業着姿で汗を流していればかっこよく映る。子どもの頃、身近にあった建設という原風景が将来の職業選択に大きな影響を与えるようだ▼人間教育は「つ」の付く時期が適しているという子育て論がある。年齢を一つ、二つと数える時の「つ」のこと。九つまでに子供をしつけることが人間の生き方の基本をつくりあげるという▼建設業に従事する女性技術者・技能者が集まったセミナーでもこの子育て論が話題となった。小学生向けの現場見学会で目を輝かせ純粋に楽しんでいるのは4年生まで。5年生や6年生になるとちょっと斜に構える、との体験談が披露された▼「つ」の付くうちに建設業が暮らしを支える大切な仕事だと理解してもらうのが重要。とっても若い建設ファンを作ることも長期的な担い手確保策の一つになろう。
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