九州地方整備局は14日、超大型クルーズ船の受け入れに向け、福岡市中央区の博多港中央ふ頭地区で進めている岸壁改良工事を報道関係者に公開した。
3期に分けて進めている総延長330メートルの岸壁延伸の最終段階に入っており、同日は岸壁の骨組みとなる鋼製のジャケットを起重機船でつり上げ、鋼管杭に据え付けた。
8月に工事を終え、今秋には22万総トン級の超大型クルーズ船が着岸できるようになる見通しだ。
博多港は17年にクルーズ船が326回寄港し、寄港回数が3年連続日本一のクルーズ拠点港。クルーズ需要の増加に加え、クルーズ船の大型化が進んでいるため、水深10・5メートル岸壁の延伸を進めている。
岸壁延伸では1期整備として既設岸壁から70メートル離れた位置に延長60メートルの島式の新たな岸壁を整備し17年4月に供用。その後、2期整備として島式岸壁の前後を挟む形で延長70メートルの岸壁を2カ所整備し、最終段階の3期整備でさらにその沖側に130メートルの岸壁を整備して全体延長330メートルの岸壁とする。
工事では工期短縮を図るため、鋼管で組み立てた立体トラス構造の構造物「ジャケット」を工場製作し、海底地盤に打ち込んだ杭の上に据え付け一体化させる「ジャケット工法」を採用。1期整備で1基、2期整備で2基、3期整備で2基の計5基のジャケットを使用している。
◇重量350tのジャケット設置◇
この日は北九州市で製作し回航した3期整備のジャケットのうち延長60メートル、幅20メートル、重さ約350トンのジャケット1基を700トンつりの起重機船でつり上げ、鋼管杭に約50分かけて慎重に設置した。
15日には延長70メートルの最後のジャケットの据え付け作業も予定しており、引き続きコンクリート床版をジャケットの上部に設置した上で表面舗装や係船柱の取り付けなどを行い工事を完了する。3期整備の工事は五洋建設・りんかい日産建設JVが担当している。
岸壁が全面供用すれば全長362メートルの22万総トン級の超大型クルーズ船が着岸できるほか、超大型クルーズ船と中型クルーズ船の2隻同時着岸も可能となる。
博多港湾・空港整備事務所の上田彰副所長は「安全に今夏の完成を目指す。今まで以上に船舶に入港してもらい、多くのお客さまに博多港や市の観光を楽しんでもらえれば」と話した。
0 comments :
コメントを投稿