2024年12月20日金曜日

福岡県苅田町/新庁舎建設PPP導入対話結果、DB方式にメリット

 福岡県苅田町は計画する新庁舎建設について、9月に民間事業者を対象に実施したPPP手法導入に関するサウンディング(対話)型市場調査の結果概要を公表した。対話では設計・施工一括(DB)方式に対し、行政側の事務負担の軽減、民間事業者側の資機材の調達難に関するリスク軽減を図りやすいとの意見があった。町は対話結果を踏まえて事業手法を検討しており、2025年1月中旬ごろに公表する基本計画の素案に盛り込む考え。
 対話には設計2者、建設・その他4者、維持管理・運営2者が参加した。調査項目は▽事業手法▽事業範囲▽事業期間▽創意工夫・コスト縮減の可能性、事業費の目安▽事業提案の評価-など。
 民間活力導入についてはDB方式、DBO(設計・建設・運営)方式、PFIのBTO(建設・移管・運営)方式で意見を求めた。DB方式はが事業者側にとって効率的な事業実施を可能とし、主に建設会社から参画しやすく、望ましいとの声があった。
 DBO方式は主に維持管理・運営企業にとってメリットが大きいが、SPC(特別目的会社)設立が必要となった場合に、手続きの煩雑さなどがあり、メリット以上に負担も大きいとの意見が出た。BTO方式は一括発注による人員や事務負担の軽減、町民サービスの向上を図れるが、資金調達やコンソーシアムの組成といった企業間の連携にハードルがあり、金利上昇に伴う行政側のコスト増加のリスクもあるとの指摘を受けた。
 事業期間については、設計に1年半~2年程度、建設は2~3年半程度との回答があった。
 町は対話結果を基に事業手法の決定に向けた検討を進めている。25年1月中旬~下旬に基本計画素案に対する意見募集を行い、同3月中の計画策定を目指す。
 建設候補地は富久町の現庁舎と三原文化会館、歴史資料館がある敷地(面積約1万6500平方メートル)を想定。国指定史跡「石塚山古墳」の隣接地であるため、25年度以降に文化会館と歴史資料館を解体した後、文化財調査を実施する予定。
 基本構想によると、新庁舎の必要延べ面積は約1万平方メートルで、庁舎機能延べ約8200平方メートル、活動支援機能など複合化機能延べ約1800平方メートルを見込む。




from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=169953
via 日刊建設工業新聞

0 comments :

コメントを投稿