道路建設会社の働き方改革が進展している。日本道路建設業協会(道建協、西田義則会長)が会員企業に行った調査によると、2023年度に時間外労働上限規制の原則ルールを達成した会員企業の割合は6割を超えた。土曜日(第1、2、4)の閉所率も6割を上回った。ICT活用や閉所に対する顧客への理解呼び掛けといった取り組みが奏功したと見られる。一方、会員からは「(特に民間工事で)厳しい工期設定が長時間労働を是正する上での支障」との声も上がった。
「2023年度時間外労働時間実態調査」によると、年間360時間以内の原則ルールを達成した会員企業の割合は、23年度が61・0%と前年度(58・1%)を2・9ポイント上回った。年間720時間以内の特別条項の達成率も97・9%と前年度(96・4%)と比べ上昇した。
道建協は17年に時間外労働に関する自主規制達成目標として、建設業への時間外労働の上限規制適用開始の2年前(22年)には、年間の時間外労働の上限を720時間と設定。段階的に時間外労働の削減に取り組んできた。
時間外労働削減に向けた工夫を見ると「ノー残業デーの実施」「勤怠管理システムの導入・活用」「ICTの活用」「職員の増員や業務分担の見直し」といった取り組みが挙がった。道建協は「上限規制の達成率は上昇傾向にある。取り組みが確実に推進している」と見る。
長時間労働を是正する上で支障となっている事例では「厳しい工期設定」「特に民間工事で工期に余裕がない」「発注者向けの提出書類の多さ」といった発注者側に起因する内容が挙がった。「施工管理技術者などの慢性的な人員不足」を指摘する声も寄せられた。
今回、初めて調査した休日の取得状況を見ると、4週8休所以上が81・2%と最も多く、4週7休(11・1%)や4週6休(5・2%)を大きく上回った。
土日閉所の実施状況は、道建協が閉所運動対象としている第1、2、4土曜日の閉所率が平均で62・2%。前年度を3・4ポイント上回った。労働従事別で見ると合材工場の52・0%(4・0ポイント上昇)が最も低く、次に低い現場事務所は60・4%(3・6ポイント上昇)だった。
道建協は11月、西田会長名で会員企業に対して働き方改革のさらなる推進を呼び掛けた。時間外労働上限規制の順守と週休2日の実現を加速させる。
from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=169498
via 日刊建設工業新聞
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