竹中工務店と鹿島、アクティオの3社が、建設現場の資材を自動で運ぶロボットを共同開発している。高層建物の工事現場で、中層部に運ばれた資材を高層部へと自動で運搬。平均10人程度が必要な搬送作業を、ロボット運行者など2人で完了できるようにする。作業員が専門的な作業に従事できる時間を増やし、施工効率を高める。現場で実証を重ね、2025年4月の実用化を目指す。
ロボットは作業員が少ない休憩時間や夜間の運用を想定する。現場の高層階用と低層階用のエレベーターの乗り換え地点となる中層フロアで待機。低層階から資材が到着すると、作業員が事前に指定したフロアまで自動で運ぶ。7月に大阪市内の建設現場で実証を行い、自動搬送できることを確認した。
前方270度の物体を検知するセンサーと、建物のBIMデータから作成した走行用地図を基に自律走行する。稼働はバッテリー式。実証実験では、8時間の充電で2日間の夜間作業に対応できたという。周辺の人やモノをレーザーで検知するセンサーを搭載し、走行中の衝突なども防げるようにした。
運搬可能な最大重量は2000キロ。工事で多く採用される横幅900ミリ、縦幅1800ミリ、厚さ12・5ミリのボード材を50枚まとめて運べる。稼働に必要な人員はロボットに指示を出す運行者とエレベーターオペレーターの2人。運搬作業を省人化することで、足場の組み立てなど専門業務に従事できる作業員を増やす。
運搬スピードは人が作業する際の半分程度で、今後の改善課題に挙げる。竹中工務店の担当者は「ロボットが戻るまでに資材を用意して待ち時間を減らすなど、運用の工夫でスピードをカバーしたい」と話す。施工ロボットや遠隔操縦技術を共有する「建設RXコンソーシアム」での提案を通じ、実装現場の拡大を目指す。
from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=169870
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