横浜市は新たな大型図書館を建設する方針だ。既存施設の老朽化対策や閲覧席拡充、デジタル対応などが目的。従来の市立図書館の枠組みを再構築し、市民サービスの向上を図る。立地場所や規模などは2025年度に検討する予定だが、現中央図書館(中区)と同程度の延べ1万~2万平方メートル規模を想定。建設地は市内全域からの交通アクセスやまちづくりの観点などを踏まえて検討する。図書館と取次所間の図書輸送量の増加などから、新たな図書館では物流センター機能の強化も視野に入れている。
12日の市議会こども青少年・教育委員会で「今後の市立図書館再整備の方向性」を報告した。当面10年程度の間に進める市立図書館全体の再整備の基本的方向性を示している。
現在、市立図書館が抱える課題として▽施設の老朽化▽インクルーシブやデジタル対応の遅れ▽デジタルを活用した新機能導入が困難▽書庫収容量が逼迫(ひっぱく)し市民1人当たりの蔵書保有量が他の政令市と比較し少ない▽各館の物流スペースの狭隘(きょうあい)化-などを指摘。従来の図書館全体の枠組みを再構築し、デジタル技術などを生かしながら、市民サービスの充実とアクセス性向上を図る。
従来の中央図書館1館と17地域館で一律のサービスを提供する体制から、提供機能を分担する体制に変更する。今後は1区1館を基本とし、現中央図書館は全体の司令塔としつつ、新たな大型図書館を新設する。地域館の老朽化対策は周辺エリアのまちづくりなどの進捗を踏まえて実施する。短期的対応として、再整備とは別に快適空間を目指したリノベーションを行う。
具体的には現中央図書館(延べ約2万平方メートル)を司令塔とし、地域館は周辺の状況に応じて延べ約3000平方メートル規模の地域館と、延べ約5000平方メートル規模の地域館(中規模)として再整備する。新たな図書館は「教育都市横浜」の知の拠点と位置付け、図書も含めた多様なメディアに対応可能とする。利用者同士の交流や創造・発信拠点、物流センター、居心地の良さなどの機能を備えた先進的図書館像を描いている。
from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=169734
via 日刊建設工業新聞
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