奈良県は、まほろば健康パーク(大和郡山市)の拡張整備に民間のノウハウを活用する。新たに大屋根広場やアウトドアスペースなどを設ける計画で、幅広い世代が利用し、遊びを通して子育てを支援する公園を整備する。11月28日に開いた「インクルーシブ機能検討委員会」(委員長・根本哲夫奈良女子大学生活環境学部教授)で基本計画案を示した。事業手法は運営先行PFIとPark-PFI(公募設置管理制度)の導入を検討する。市民意見や地元説明を踏まえ、2025年3月に基本計画をまとめる。
県では既存公園に隣接する浄化センターの拡張予定地を利用し、公園機能を強化する基本構想を18年に策定。21年に基本計画をまとめ、22年2月に拡張区域を公園予定区域にした。その後、山下真知事が就任し、基本計画の再検討を発表。学識者らによる委員会を設置して新たな基本計画を検討してきた。
基本計画案によると、基本コンセプトに▽すべての人が楽しく利用できる公園▽こどもの主体的な遊びを通して子育ち・子育て支援に資する公園-を設定。基本方針に「既存公園エリアを含めた公園全体でインクルーシブ機能の確保」を掲げた。
導入ゾーンは▽交流▽大屋根広場▽プレイパーク▽アウトドア・樹林-の各エリアと既存公園エリア。交流エリアはパークの中心に設け、南側の玄関口に雨天時でも遊べる屋根のある広場を整備する。民間の発想を生かした屋内遊戯場や飲食施設が入る便益施設も設置する。
アウトドアエリアでは、キャンプを楽しめるように炊事場などを整備する。トレーラーハウスやコンテナ型トイレを設置し、災害時に活用できるようにする。樹林を生かしてアスレチックや木登りなどが体験できる施設も設ける。
各エリアには日よけができる休憩施設やバリアフリートイレを配置する。駐車場の乗降スペースから屋内施設までは屋根付きの歩行者動線を確保する。
収益性の高い施設は民間による整備、管理・運営を想定し、Park-PFIなどの事業は、事業者とのサウンディング(対話)を踏まえて検討。駐車場や広場、大屋根などの収益性の低い施設は公共による整備を想定し、一部施設にPark-PFIの可能性を調査する。
事業手法は管理・運営事業者を先に選定し、維持管理と運営コストを決定した後、設計・施工者を選定する「運営先行PFI(サービスプロバイダ方式)+Park-PFI」の導入を検討する。
既存公園区域の管理・運営期間は28年度までで、26年度に新たな管理・運営事業者を選定し、27年度にPFI事業者を決める方向で検討。拡張エリアの開業は30年秋ごろを予定している。
from 工事・計画 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=169499
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