東京・港区は約150年前に築造された鉄道遺構「高輪築堤」を8、9日、一般公開する。区の教育委員会は9月以降、遺構の残存状況を調べるため、JR品川駅と同高輪ゲートウェイ駅の間の9カ所で調査を実施。公開対象はそのうちの1カ所で、公開が終われば埋め戻す。時間は両日とも午前9時~午後3時。参加無料。申し込み不要で、直接現地に赴く。
3日に報道機関向けの見学会を開いた。所在地は高輪ゲートウェイシティー第II期工事エリア(5、6街区)。高輪ゲートウェイ駅の南西に位置する。遺構は1872年に日本初の鉄道として開業した新橋・横浜間の構造物の一部。うち約2・7キロの区間は、用地の確保が困難だったため海上を通っていた。周辺は19世紀のうちに埋め立てられ、現在は地中に堤が残っている状態だ。
区は9カ所を掘って調査し、石垣の築石や裏込め石、盛り土の一部などを確認した。調査結果を踏まえ、今後文化財としての価値を評価する。埋め戻しの前に、174平方メートルの範囲を掘削した「トレンチ1」の内部を公開する。
5、6街区の北側では高輪ゲートウェイシティーの建設が進む。南側ではJR・京浜急行電鉄の駅施設などを含む「(仮称)品川駅街区地区」の開発が進展。今後5、6街区でも大規模開発が始まる見通しだ。
JR東日本の担当者は調査結果に対し「大変意義深い結果だ」とした上で、「文化財とまちづくりの両立にはさまざまな形がある。有識者や行政の助言をいただきながら、検討していきたい」と話した。
遺構は高輪ゲートウェイシティーの開発区域内でも見つかっている。同社は一部を保存し、一般の人が見られるような形で公開する考えだ。
一般公開の詳細は区のホームページ(https://www.city.minato.tokyo.jp/)へ。
from 行事 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=169467
via 日刊建設工業新聞
0 comments :
コメントを投稿