内閣府沖縄総合事務局による首里城正殿(那覇市)の復元工事が進行中だ。5月に上棟を祝う「工匠式」を迎えた。清水建設・國場組・大米建設JVが施工を担い、赤瓦屋根の瓦ぶき作業などが進む▼清水建設が現場のデジタルツインを公開している。7月時点で骨組み状態の屋根は、11月には赤瓦が連なる見事な姿に。匠(たくみ)の技で復元していく様子がよく分かる▼2019年10月の火災で燃え落ちた首里城の姿に、ショックを受けた方は多かろう。つらい出来事をどう乗り越え次につなげるかで、未来への行動の真価が問われる▼パリのノートルダム大聖堂の再開式典が7日開かれる。同4月の大規模火災で屋根の大部分などが焼失した際、フランスのマクロン大統領は5年以内の再建を宣言。式典を前に、マクロン氏は「(火災後の)炭を芸術に変えた」(時事)と関係者をねぎらったという▼日仏の両施設はともに地域に根付き、人々のよりどころとも言える存在だろう。歴史的価値だけでなく、守り続けたいと願う多くの意思があってこそ、復元・再建を進めることができる。完成した姿を見て、建築が持つ力を感じたい。
from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=169545
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