安藤ハザマはソフトウエア開発のアールテック(浜松市中区、小杉隆司社長)と共同で、城郭や社寺仏閣などで現物が消失し写真だけが残っている彫刻欄間の復元制作技術を開発した。
古写真から3次元(3D)モデルを作製して復元の検討に役立てる。形状変更などにも容易に対応でき、精度の高い復元と効率的な作業を実現する。
今月8日から一般公開された名古屋城本丸御殿(名古屋市中区)の復元工事で導入を検討した。現存する彫刻欄間を撮影し3Dモデル化した例はあるが、現物が存在しない彫刻欄間の古写真から、3Dモデルを製作したのは国内初という。
彫刻欄間を復元制作する場合、専門の彫刻職人が写真のゆがみなどを補正した原寸大の下絵を作製して木板に描き写し、有識者の指導を受けながら手作業で彫刻。関係者が打ち合わせを重ね試作品を作る。有識者による検討会も開かなければならない。
開発した技術を使えば試作品を何度も作り直す必要がなくなる。3Dモデルを共有することで検討スピードも上がる。3Dプリンターを使えば模型製作も可能だ。開発に当たっては、井波彫刻協同組合(富山県南砺市、藤崎秀平理事長)に協力を仰いだ。
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