2018年6月20日水曜日

【回転窓】魅力を伝える空間づくり

明治元年から150年を記念し、佐賀県で「肥前さが幕末維新博覧会」が開催されている。先日、そのメインパビリオンである「幕末維新記念館」(佐賀市)を訪れた▼記念館内に設けた展示場の壁一面に映し出される迫力のある映像には、第10代佐賀藩主・鍋島直正や元内閣総理大臣・大隈重信など佐賀が生んだ7人の偉人たちが登場する。近代日本の礎がどのように築かれたのかを「佐賀の七(しち)賢人」の功績からたどることができる▼展示アドバイザーは多くのプランニングやプロデュースを手掛けてきた洪恒夫東京大学総合研究博物館特任教授。佐賀とのゆかりも深い洪氏がどのような展示空間を演出しているのか。こうした見方で記念館の中を巡るのも面白い▼歴史をたどりながら郷土の魅力に改めて触れ、未来を考える機会とする。そして現代の最新テクノロジーも駆使して過去と未来の融合を図る。明治150年のイベントにはそんな目的もあろう▼佐賀県では今夏、佐賀県立博物館で「すごいぞ!ボクの土木展」も企画されている。建築家の西村浩氏がディレクターを務めるこの「体験型の展覧会」も見逃せない。

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