大成建設は力触覚グローブによってロボットアームを遠隔操作するシステムを開発した。
物体をつかむ際の微妙な力加減の情報が双方向に伝達され、手作業に近い感覚でアームが遠隔操作できる。作業手順や力加減などの動きを記憶させることも可能。間接接触での作業が必要な医薬品や食品の製造施設を導入ターゲットに、19年ごろの実用化を目指す。
操作者がグリップ型力触覚グローブを装着して動かすと、遠隔地のロボットアームが同じ動きを再現する。アームには垂直多関節ロボットを採用し、操作者の繊細な動きもとらえる。情報をやりとりする通信には、高速度な国際規格の統合制御ソフトウエアを採用。生産現場での力加減などをリアルタイムに把握し、ほぼ同時に動きが再現できる。
今回開発したシステムは以前開発した初期型のプロトタイプを、よりシンプルに使いやすく改良した。構成するシステムには超小型産業用パソコン、小型人協働ロボットなどの汎用(はんよう)品を多用。実際の生産現場に導入しやすくした。
将来的にはIoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)を活用し画像認識による自動操作、作業手順や力加減の学習・再生による最適な作業パターンの実現などを目指す。学習した作業を再生できるようになれば24時間連続で作業が可能。生産性の向上や、無人化による空調・照明などの運用コスト削減などが見込める。
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