2018年6月7日木曜日

【回転窓】職人仕事と子どもの笑顔

 ゴジラなどのイラストを手掛け“怪獣絵師”として知られる開田裕治氏が、先日開通した東京外かく環状道路(外環道)千葉県区間のイラストを描いている▼トンネルを見据える技術者の後ろ姿がモチーフで、背中から気概や決意のようなものが伝わってくる。現場を見て回り、開田氏はものづくりの熱を感じたという。「安全帯を付けて、仲間入りできたみたいでわくわくした」とも▼建設業になじみのない人は工事現場と聞くと不安に思うかもしれない。だが少し触れるだけで魅力に気付かされることも多い。宇都宮市で専門工事業者らが開いた「職人祭」。仮設足場の組み立てを体験した親子が「楽しかった。また来たい」と笑顔で話してくれたそう▼職人に興味があった訳ではないがインターネットでたまたま見つけ、家族で出掛けてきたという。イベントに参加した栃木県の福田富一知事は「ご子息、ご令嬢が将来職人さんになりたいと言った時に、止めないように」と呼び掛けていた▼職人仕事に触れた時の子どもの笑顔を見ているかどうかで、親の反応は大きく変わるはずだ。地道な努力が後々、花を咲かすのだろう。

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