東京都の小池百合子知事は28日、建設業界で働く女性を集めた「女性が輝くTOKYO懇話会~建設業編」を都庁で開いた。女性の働き手が少ない産業にスポットを当てる取り組みの一環。建設業の魅力や女性活躍の現状などをテーマに、知事と6人の女性技術者が率直に意見交換した。
日本建設業連合会(日建連)けんせつ小町部会、土木技術者女性の会、建築設備技術者協会設備女子会、日本造園建設業協会(日造協)女性活躍推進部会、日本建築仕上学会女性ネットワークの会、全国低層住宅労務安全協議会じゅうたく小町部会の計6団体から1人ずつの女性が参加した。
知事は「国内の未利用エネルギーの最たるは、実は女性ではないか。産業構造が大きく変わろうしている荒波を一緒に乗り越え、働きやすい東京をつくりたい」と呼び掛けた。
日建連の木村梨絵さん(三井住友建設)は「世界に二つとないものを、多くの職人と一緒に造り上げるのが喜び」と建設業の魅力を強調。日造協の桑園亜希子さん(東光園緑化)は、街路樹剪定(せんてい)士としての仕事や働きがいを紹介し、「造園業は災害発生時の復旧・復興でも重要な役割を担っている」と説明した。
土木技術者女性の会の村上麻優子さん(鹿島)は、東京メトロ日比谷線の虎ノ門新駅の工事現場に配属されている。東京駅丸の内口の駅前広場の再整備にも関わった。「地元のみなとみらいの開発を見て、建設業に興味を抱いた。インターンシップ(就業体験)でゼネコンの現場を体験し、業界に入ろうと決めた」と話した。
日本建築仕上学会の森嶋順子さん(トーヨー科建)は、「別の業界から建設業に移った。当時は今より女性の数は少なく、それがかえってやる気になった」と自身の経験を話した。全国低層住宅労務安全協議会の四十物谷綾花さん(大和ハウス工業)は「快適トイレの普及を進めている。災害時には、建設現場のトイレを被災者が使用できる」と社会貢献の取り組みを紹介した。
建築設備技術者協会の佐藤佳那さん(関電工)は、「普段は見ることができない部分に触れられるのがこの仕事の魅力」と語った。懇話会では建設現場の働き方改革、キャリア形成の課題などについても意見を交わした。
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