愛知県競馬組合は25日、基本設計先行型PFI方式を導入する「名古屋競馬場移転整備等事業」の実施方針と要求水準書案を公表した。
名古屋市港区から弥富市の弥富トレーニングセンターに同競馬場を移転させる事業。8月末に総合評価一般競争入札を公告、11月に個別対話を実施、12月末まで事業提案書と入札書を受け付ける。19年1月末のヒアリングを経て、同2月初旬に落札者を決める。7月4日に説明会を開く。
既存施設も活用しながら新競馬場を整備する。S造3階建て延べ5450平方メートルのスタンド棟、S造8階建て延べ4000平方メートルの調教関係者住宅(1K、2DK、3DK合計92戸)、ナイター照明、大型映像装置を新設し、選手会館、装鞍(そうあん)所、厩舎(きゅうしゃ)、コースを改修する。スタンドには地方競馬で初となる「ホースビューコリドー」を設置、パドックからコースに移動する競走馬を間近で見られるようにする。
コースは、1100メートルから1180メートルへ延伸、最終コーナーからゴールまでの直線を240メートル確保して、レースの盛り上がりを促す。新たなファン獲得に向け、「公園のような競馬場」を目指し、イベント広場や乗馬体験ゾーンを設け、幅広い年代の来場を狙う。
事業者は、スタンド棟2階のレストラン運営や集客イベントなどを通じたにぎわいづくりといった付帯事業を提案することができる。事業方式はBTO(建設・移管・運営)。
参加できるのは設計、建設、維持管理を担当する企業によるグループ。設計企業は同種業務実績のある1級建築士事務所。建設企業は、経営事項評価点数が建築工事1200点以上、電気工事870点以上、管工事860点以上のすべてを満たす者。維持監理企業は、県入札参加資格者名簿に「役務の提供」「建物等各種施設管理」で登録されている者。設計監修と工事監理は別発注。
事業期間は37年3月までの18年間。19年度内に実施設計に着手、22年度の供用開始を目指す。概算事業費は98億円。基本設計は山下設計が担当した。
説明会を7月4日午前10時から同組合の競馬場会館(名古屋市港区)で開く。問い合わせ先は総務部総務広報課(電話052・661・9792)。移転後の現競馬場跡地は、2026年に開催されるアジア競技大会の選手村として利用される見込み。
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