2018年3月26日月曜日

【建設業の心温まる物語】斉藤興業(香川県)・斉藤誠治さん

 ◇卒業式にサプライズで出席◇

 私は、左官工事会社を経営しています。現在、全国的に職人が不足しており、私が住む香川県でも職人不足は深刻な状態です。そこで、職人育成塾を立ち上げ、職人を自ら育成することになりました。

 1回目の塾生募集ではなかなか人が集まりません。夏の暑い日に、ハローワークの前で、職業を探す人に対してビラ配りをしました。それでもなかなか、ビラさえ受け取ってもらえません。

 ようやく知人の紹介で、通信制学校の学生が何人か入塾してくれることになり、開校にこぎ着けるようになりました。

 初めのころ、塾生は皆、あいさつ、コミュニケーションが少なく元気がありません。この子たち、本当に職人になれるかなと心配になりました。それでも根気よく、あいさつの大切さを伝え、たとえ無視されても私から大きな声であいさつし続けました。

 2カ月たち、卒業式を迎えることになりました。卒業式では、塾生が通う通信制学校の先生があいさつをしてくださいました。

 「この子たちがこんなに明るくしゃべられるようになるなんて信じられません。職人育成塾に通わせてよかったです。本当にありがとうございました」

 私は必死に塾生に向き合っていただけなので気づきませんでしたが、改めて見ると、本当に生徒たちは変わりました。熱意をもってちゃんと向き合えば、伝わるんだなと思いました。職人育成塾卒業後、自社に入社してくる女性社員の通信制学校の卒業式にサプライズで出席しました。とても喜んでくれました。

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