関東地方整備局が進めていた国道144号鳴岩橋の復旧工事が完了し、10日に開通式典を開いた。国土交通省や地元選出国会議員、群馬県、嬬恋村、施工関係者らが参加。式典に続いてテープカットと渡り初めを行って開通を祝った。鳴岩橋は2019年台風19号で流出。大規模災害復興法に基づき、地方自治体に代わって国が行う「権限代行」で復旧工事を進めた。
式典で廣瀬昌由関東整備局長が清水真人国交大臣政務官のあいさつを代読し「新たな鳴岩橋が村民助け合いの架け橋となり、嬬恋村がさらに力強く前進していくことを期待している」と述べた。
嬬恋村の熊川栄村長は「村は10月12日を『嬬恋村防災の日』として災害と復旧の記録を後世に残し、安全安心な社会、地域づくりにしっかり取り組んでいく」と強調。その上で「『嬬恋晴レルヤ』は村の若い職員を中心に“雨が降った後には必ず虹が出る”を合言葉に取り組んできたもの。現場に大きく張り出してもらい、まさに『ノーレイン、ノーレインボー』の思いで一緒に汗を流してもらった」と感謝を述べた。
国会日程の合間を縫って駆け付けた小渕優子衆院議員は「私自身、思い入れのある鳴岩橋。(被災から)3年で今日という日を迎えることができた。皆さんが一つになって行動してくれたおかげ」と完成を祝った。
新たな鳴岩橋は橋長96・0メートルの鋼2径間連続合成箱桁橋。有効幅員は8メートル。上部工は横河NSエンジニアリング、下部工は大成建設、舗装や河川改修は沼田土建が担当した。
19年台風19号では嬬恋村田代で24時間に416ミリの猛烈な雨を観測。増水した吾妻川により鳴岩橋が流出するなど村内各所で甚大な被害が発生した。国は権限代行で同11月8日から緊急復旧を行い、同12月26日までに盛り土での緊急迂回(うかい)路により仮開通させた。20年5月8日に仮橋での迂回路に切り替え、本復旧を急いでいた。
テープカット
渡り初めにより開通を祝った
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