2022年12月13日火曜日

CCUSの新機能供用開始、発注者が週休2日確認/国交省直轄工事で試行へ

建設キャリアアップシステム(CCUS)のシステム改修で、元請の事前同意を前提に発注者がCCUSの画面の一部を確認できる新機能が追加された。施工体制台帳などの帳票類に加え、CCUS登録技能者の現場入場の記録などが確認可能。国土交通省直轄工事では先行的に新機能を活用し、CCUSモデル工事を対象に週休2日の達成状況の確認作業を円滑化する試行を順次行う。関係書類の作成や確認の手間が大幅に削減でき、受発注者双方にとって業務負担の軽減につながりそうだ。=2面に関連記事
国交省主導でシステム改修に当たり、新機能を9日に供用開始した。発注者にIDを付与し、個人情報保護に留意しつつ発注工事の現場情報をダウンロードできるようにする。
公共発注者の利用を念頭に、地方自治体などがCCUSモデル工事や週休2日モデル工事を取り入れやすい環境を整える狙いがある。時間外労働の罰則付き上限規制の適用が2024年4月に迫る中、市区町村でモデル工事の導入など工期適正化への対応が遅れていることが背景にある。
現状は週休2日の達成状況を元請が提出する作業日報などで確認している。新機能では発注者が直接発注した工事だけでなく、技能者が入場した他工事を含むすべての現場の就業履歴を一覧的に確認可能。工期内で技能者の休暇状況を正確に把握でき、週休2日の確認作業に当たるマンパワーが不足しがちな自治体の負担軽減が期待できる。
直轄工事の試行は、現時点で工期内にある「CCUS義務化モデル工事」と「CCUS活用推奨モデル工事」の約300件を対象とする。現場が稼働していなくても交通誘導員などが出勤する日があり得るため、1日の就業履歴数が一定以下であれば現場閉所とみなす。元請同意を前提に試行し、今後の活用拡大の方向性を見極める。
時間外労働規制の適用後は月ごとの労働時間も規制対象となる。国交省はこれまで週休2日対象工事の達成を工期全体で求めていたが、月単位で達成が可能となるよう工期設定の指針見直しなどを検討中。休暇状況を詳細に把握できるCCUSの新機能の活用も有力な選択肢になりそうだ。


source https://www.decn.co.jp/

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