政府の検討会は社会構造のGX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針を22日に了承した。再生可能エネルギーの主力電源化に必要となる系統整備を重点事項に挙げ、海底直流送電網などの整備を従来の8倍以上のスピードで推進すると表明。経済活動の省エネルギー化を徹底させるため、中小企業に向けた省エネ補助金の創設なども盛り込んだ。必要となる財源の一部を、20兆円規模の発行を予定する「GX経済移行債」で調達する方向性も明記した。
「GX実現に向けた基本方針」は同日、東京・永田町の首相官邸で開いた「GX実行会議」(議長・岸田文雄首相)で了承された。意見募集を経て近く閣議決定する。
再エネの主力電源化には洋上風力発電の導入促進が有効だが、適地は北海道や東北地方の日本海側などに多く、大消費地から離れる。今後は海底直流送電を含む送電インフラ整備のスピードを、過去10年間の8倍以上に加速。北海道からの海底直流送電は2030年度の完成を目指して整備するとした。
再エネ関連ではこのほか▽揚水発電所の維持・強化▽次世代型太陽電池の研究開発・導入支援▽浮体式洋上風力発電の技術開発・大規模実証-なども強力に推進する。原子力関連では安全性の確保を前提に、次世代革新炉の開発・建設を進める。
省エネ化関連施策にも注力する。基本方針には民間企業が複数年にわたる省エネ関連投資に切れ目なく対応できるよう「省エネ補助金」を創設すると明記。化石燃料を大量に消費する事業者に対しては、非化石エネルギーへの転換に向けた中長期計画の提出を義務付け、定期的な進捗(しんちょく)報告も求める。
各種施策にかかる費用は今後10年間で150兆円程度と見積もる。国は20兆円規模の「GX経済移行債」を発行し先行投資を可能にする方針。償還には企業や消費者らに費用負担を求め、二酸化炭素(CO2)排出抑制につなげる「カーボンプライシング(CP)」で得られる財源を充てる。CPの導入に必要となる関連法の改正案は次期通常国会に提出する。
source https://www.decn.co.jp/?p=148982
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