2022年12月9日金曜日

東京都/車両用防護柵の設置加速、交差点1500カ所を24年度までに完了

東京都は交差点で衝突事故を起こした車両が歩道に乗り上げるのを防ぐ「車両用防護柵」の設置を加速する。対象は信号機があり、一定程度の広さがある約1500カ所の交差点。2021年度に設置を始め、9月末時点で約100カ所が完了した。現場状況に応じた工法選定や確実な予算確保を背景に設置スピードを上げ、残り約1400カ所を24年度中に終える方針だ。子どもや高齢者を含め誰もが安心してまちを歩ける環境を早期に実現する。
19年5月に滋賀県大津市内で発生した交通事故は、自動車同士が交差点で衝突し、巻き添えで歩道にいた園児らが死傷した。都はこの交通事故をきっかけに防護柵の導入を決定。20年度に取り付け対象の交差点の洗い出しを含め調査を行い、21年度から設置に取り組んでいる。
都内の交差点には元々、歩行者が横断歩道以外の場所で車道横断を防ぐ「横断抑止柵」を設置している。既存の横断抑止柵を撤去し、車両用防護柵を取り付ける。防護柵の高さは約80センチ、長さは2~3メートル。地面に立つ支柱の直径は12センチで横断抑止柵の2倍の太さ。交差点の四隅に配置する。
施工面で課題となるのが、都心部に多い地下埋設物の存在。上下水道管やガス管などを傷付けないよう、慎重な対応が求められる。地下に約1メートルの杭を打って柵を安定させる工法が使えないため「基礎部分にコンクリートの塊を形成し、その重さで車両の衝突に対応する」(都担当者)。
予算措置も確実に実施していく。都建設局は22年度予算で防護柵の設置を含む「道路付属物整備等」に28億55百万円を計上。23年度の予算要求では34億73百万円を盛り込み、22年度に比べ約6億円増額した。工事発注を積極化し設置箇所を上積みする。
これまでの設置工事で積み重ねてきた経験や知見に加え、財政面も手厚く措置しながら施工をスピードアップ。残り約1400カ所の設置工事の早期完了を目指す。

車両用防護柵(東京都提供)

source https://www.decn.co.jp/

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