2022年12月26日月曜日

関東整備局/3D計測技術で出来形管理手引作成、ICT施工普及へ全国初

関東地方整備局は現場技術者向けの「3次元計測技術を用いた出来形管理の活用手引き(案)」を作成した。イラストを多用し用語解説を加えるなど分かりやすさを重視。代表的な4工種は施工フローも盛り込み、出来形管理にとどまらずICT施工全体で活用できる。2023年度のBIM/CIM原則適用を見据え、建設現場での3Dデータ活用をさらに進める。手引の作成は全国で初めてという。
手引案は共通編と、工種別に▽土工▽舗装工▽路面切削工▽河川浚渫工▽護岸工▽表面安定処理・固結工(中層混合処理)▽固結工(スラリー撹拌〈かくはん〉)▽法面工▽トンネル工▽基礎工(矢板工・既設杭工、場所打ち杭工)▽擁壁工▽構造物工(橋脚・橋台)▽土工(1000立方メートル未満)・床掘り工・小規模土工・法面整形工-の13編の計14編で構成する。
国交省が3月に改訂した「3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)」をベースに図解を多く用いて、現場技術者により使ってもらえるよう工夫。現場のさまざまな場面で活用できるよう内容も充実させた。
共通編では初めてICT施工にチャレンジする技術者でも分かりやすいよう、冒頭に用語集を設けたほか、ICT機器ごとの特徴や、どの工事でどのICT機器を使ったら良いかなどをイラストを交えて解説。ICT機器ごとに必要な精度水準を表で掲載し、現場でICT施工を担当する技術者が求める情報がすぐに手に入るよう配慮している。
各工種編では、従来施工とICT施工を「ビフォー・アフター形式」で比較し、何が変わったか一目で分かるようにした。このほか土工、舗装工、護岸工、構造物工の4工種は、ICT施工のフローも掲載。施工計画書の作成から工事基準点の設置、地形データ・3D設計データの活用、施工、出来形管理図表の作成、電子納品まで一連の工程で、どのようなデータを作成するのか解説している。
関東整備局では独自の取り組みとして10月から、すべてのBIM/CIM活用工事を対象に実施計画書のウェブヒアリングを行っている。23年度に直轄土木工事で予定するBIM/CIM原則適用に備え、情報共有や職員のスキルアップを図っている。今後、手引案を業界団体や他の発注者などにも送り活用を呼び掛けるほか、他の地方整備局にも周知していく考えだ。

若手職員がデザインしたこだわりの表紙

source https://www.decn.co.jp/

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