2022年12月9日金曜日

国交省/下請含めBIM活用支援、建築案件単位で数百件規模公募へ

国土交通省は中小規模の設計事務所や建設会社を念頭に、建築分野のBIM活用を促進する新たな支援事業に乗り出す。2日に成立した2022年度第2次補正予算に「建築BIM加速化事業」として80億円を計上。建築プロジェクトの設計や施工を直接請け負う元請だけでなく、下請も含めた形でBIMモデルの作成費用を補助する。年明けにもプロジェクト単位で公募手続きを開始する予定。採択件数は数百件規模になる見通しだ。

建築分野のBIM活用は大手企業に限られた活用にとどまっていることが多く、中小企業には初期投資がネックとなり導入が進んでいない。例えば個別の建築プロジェクトで設計業務の元請となる組織事務所がBIMを取り入れていても、外注先の図面製作会社などが2D図面だけしか扱えない場合がある。施工段階でも元請が用意したBIMモデルを下請の専門工事会社などがそのまま活用できず非効率を生んでいる。
新たな支援事業ではプロジェクト単位を採択対象とすることで、プロジェクトに携わる設計や施工の関係者全体でBIMを通じたデータ連携を促進する。従来のBIMは「設計だけ」「施工だけ」に導入する事例も多かっただけに、プロジェクトの各段階を横断したデータ連携にも期待が持てそうだ。
建築分野のBIM活用を費用面で補助する国の枠組みは従来もあったが、あくまでモデル事業として試行的な位置付けに過ぎなかった。これほどの予算規模で実際のプロジェクトにBIM導入を促す支援策は前例がなく、BIMの社会実装に大きくかじを切ることになる。政府が10月に決定した総合経済対策で「新しい資本主義」の加速に向けてDX投資を促進する方針が打ち出されたことが追い風になった格好だ。
補正予算では建築分野のBIMと3D都市モデル「プロジェクト・プラトー」、不動産IDのデータを連携し付加価値を生み出す「建築・都市のDX」の関連施策に重点が置かれた。BIMモデルをプラトーに反映させるためのデータ変換の検討にも着手する。



source https://www.decn.co.jp/

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