2022年12月26日月曜日

東京都/総事業規模15兆円の強靱化プロジェクト、23年に始動

東京都は23日に公表した「TOKYO強靱化プロジェクト」で▽地震▽風水害▽火山噴火▽電力・通信等の途絶▽感染症-の五つの災害と複合災害への具体的な対応策をまとめた。従来の防災施策を再考。2040年代に目指す強靱化された東京の姿を描き、インフラ整備などハード面を主体にデジタル技術などソフト対策を組み合わせ、実効性の高い施策を展開する。総事業規模15兆円のうち、今後10年間で6兆円を投じる。=1面参照
都はプロジェクトの推進に当たって、早期に事業執行するため債務負担行為を積極的に活用する。民間が持つ技術やノウハウを一層活用できる発注方法を採用する。設計積算業務の在り方も見直す。プロジェクトに必要な技術職員を確保するため、採用手法の多様化を検討する。重要政策に関わる業務に職員を集中投入する。
プロジェクト対象の五つの災害のうち、事業費が最も多いのは地震対策で9・5兆円を充てる。都が5月に公表した首都直下地震の被害想定では、都心南部が震源の場合、死者は約6000人、建物被害は約19万4000棟に上ることが明らかになった。
1981~2000年に建てられた新耐震基準の木造住宅の耐震性を高めるため、新たな支援策も始める。木造住宅密集(木密)地域に対しては、建物の解体や建て替えを行う際の設計費や監理費を助成する制度を創設する。インフラを効率的に維持管理するためAIなどの活用を加速する。
風水害対策の事業規模は6・6兆円で計画する。合計約150万立方メートルの新たな調節池の事業化時期を当初計画の30年から、前倒しする。河川では、これまで区部で1時間当たり75ミリの降雨量への対策を講じてきた。今後は85ミリ降雨への対応を見据える。高台まちづくりを巡っては、公園など公共施設を活用した高台の確保を加速。救援・救助などの拠点的機能を担う高台まちづくりも目指す。
火山噴火対策には2・1兆円を割り当てた。水道施設で覆蓋化や高度浄水処理などを推進。災害情報システムの機能強化のほか、関係機関との情報共有網を構築する。

風水害に対応する神田川・環状7号線地下調節池(杉並区、東京都提供)

source https://www.decn.co.jp/

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