2021年3月22日月曜日

【駆け出しのころ】ライト工業専務技術営業本部長・川村公平氏

  ◇約束は必ず守り信頼感へ◇

 大学で地質や土質を学びました。就職難の時代でゼネコンの試験も受けましたが思ったようにいかず、改めて就職先を探した時にライト工業が目に留まりました。調べてみると良い会社で大学の先輩もたくさんいました。学生時代に地滑りを勉強していて、斜面崩壊対策やのり面対策工事を施工している点も共通項があると感じました。良い導きだったと思います。

 入社後、盛岡支店に配属され、青森の地盤改良工事を担当しました。先輩社員の指導を受けながら推進工事の発進・到達立坑の坑口薬液注入工を施工しました。地下水が豊富な場所でしたが、径3メートルのシールドマシンが発進する時も到達する時もほぼ水が出なかったことに感動を覚えました。

 2年目は東北自動車道の青森と秋田の県境区間で地滑り対策のアンカー工事を担当しました。真冬の2カ月間と春先の1カ月間が作業期間。真冬はなかなかうまくいかず苦労しましたが、何とか工期に間に合いました。あまりの忙しさに頭がいっぱいになってしまったことを覚えています。

 春先にもう一度、同じメンバーで施工したのですが、前回の経験を踏まえて事前に対策を練り、準備をしっかり進めていました。すると予想以上に早く作業が終わり、元請のゼネコンが驚いていました。天候の違いもありましたが、段取りとチームワークが効果を発揮しました。両極端な状況に現場の面白さを実感しました。

 営業に移ってからは当社が手掛けるさまざまな工種をとにかく勉強しました。のり面対策工は現場で手伝った程度だったので、先輩に聞きながら覚えるほかありません。これまでほとんど取引がなかった建設会社に、担当交代をきっかけに営業をかけて、気に入ってもらったこともあります。会社のブランドを背負って仕事をしていますが、人と人とのつながりも大事だと強く感じました。

 東日本大震災が起きる直前、東北に赴任しました。災害後は全国から応援に来てもらいましたが、それでも技術者が足りません。人材を育てるしかないと腹をくくり、ベテランと共に現場を回りながら仕事をこなしていきました。技術者がしっかりと育ってくれて本当に頼もしかったです。

 心に秘めたライバルを見つけて、自分の中で切磋琢磨(せっさたくま)したことが、レベルアップにつながりました。若い人には公私どちらでも良いので目標を立て、そこに向かってほしいと思っています。

 どんなことがあっても逃げずにやり遂げることが大切。「約束は必ず守る」。それが私の信条です。トラブルがあっても知恵を絞り何とかする、という責任感が信頼につながります。現場に入ったら自分がやらなければ前に進みません。そうした意識を大事にしてほしいと思っています。

入社3年目の時に参加した社員旅行で(右端が本人)

 (かわむら・こうへい)1983年岩手大学工学部資源開発工学科卒、ライト工業入社。2013年執行役員東北統括支店長、16年常務執行役員、17年取締役、19年常務技術営業本部長、20年から現職。趣味はゴルフ。岩手県出身、60歳。

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