東京都港区にある複合ビル「世界貿易センタービル本館」の解体が7月から始まる。1970年に竣工した本館は、高度経済成長期の東京を象徴するビルとして親しまれてきた。世界貿易センタービルディング(東京都港区、宮崎親男社長)らが進める「浜松町二丁目4地区A街区」の開発事業の一環で、新たなビルへ生まれ変わる。
25日の「世界貿易センタービルディング南館」の竣工式で宮崎社長が明らかにした。解体には「1年8カ月かかる」見通し。本館の建て替えを含む地区全体の完成は「2027年初頭になる」とした。
浜松町二丁目4地区A街区(浜松町2)を含む約3・2ヘクタールの区域は、13年3月に都市再生特別地区としての都市計画決定を受けた。国際性豊かな交流ゾーンの形成、東京モノレール浜松町駅やバスターミナルの再整備などで、浜松町駅周辺の交通結節機能の強化を目指すとした。
国土交通省が民間都市再生事業計画に指定した17年9月時点の計画によると、本館跡地設ける「A-1棟」に事務所、「A-2棟」にバスターミナルなどの機能を入れる。A-1棟が地下3階地上37階塔屋2階建て延べ14万5073平方メートル、A-2棟は地下3階地上8階塔屋1階建て延べ3万5463平方メートルとなる。
A街区の初弾の開発事業になった南館は、25日に竣工した。事業主は▽世界貿易センタービルディング▽東京モノレール▽鹿島▽JR東日本▽渡邊倉庫-の5社。基本設計を日建設計、実施設計・施工を鹿島が手掛けた。施設規模は地下3階地上39階塔屋2階建て延べ9万5239平方メートル。主用途のオフィスに加え、商業施設などを設けた。竣工式で宮崎社長は「立派な超高層ビルを完成できた」、鹿島の押味至一社長は「最先端の技術を結集させた」と施設完成の喜びを語った。武井雅昭港区長らも祝辞を寄せた。
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