2021年3月25日木曜日

【設計は丹下健三氏、再開発事業本格化】旧電通本社ビル(東京都中央区)、大成建設で解体へ

 東京都中央区にある電通の旧本社ビル(電通築地ビル)の解体工事が始まる。建築家の丹下健三氏(1913~2005年)が設計を手掛けたビルの竣工は1967年。完成から半世紀以上が経過し老朽化しているため、所有者の住友不動産が解体を決めた。

 解体工事の施工者は大成建設。4月18日~2022年7月31日の工期を予定している。解体着手を機に、同ビル跡地を含む区域での再開発事業に伴う都市計画手続きが来年度にも本格化する見通しだ。

 電通築地ビルの所在地は築地1の11の10。国内の優良な建築物を表彰する「BCS賞」を1969年に受賞している。広告テスト室やカメラ室など一般のオフィスにない機能を整然と配置したレイアウト、影のあるボンタイル仕上げの外壁などが建物の特徴。電通が本社を東京都港区に移した後、2014年に同ビルを含む一帯の計4棟を住友不が電通グループから取得した。

 全棟一括で解体する。同ビルの規模はSRC造地下3階地上15階建て延べ2万8833平方メートル。4棟の総延べ床面積は5万4910平方メートルとなる。解体エリアを含む「築地一丁目地区」では、住友不が事業協力者を務める再開発準備組合が17年から活動している。

 再開発事業をはじめ、同ビルなどの敷地が指定を受けている都市計画法に基づく特定街区の変更や除外の都市計画も検討。地区西側に面する首都高速道路都心環状線築地川区間の大規模更新と連動したプロジェクトの実施が期待される。

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