2021年3月2日火曜日

【記者手帖】伝承ツーリズムで記憶の風化を防ぐ

 東北支社に赴任してから1年半。毎日があっという間に過ぎた印象だ。赴任前はほとんど接点がなかった土地で、見るものすべてが新鮮だからだろう。特に三陸地方は想像以上の絶景と絶品の魚料理が楽しめる魅力的な場所だった◆三陸地方をはじめ、東日本大震災で甚大な被害を受けた津波の被災地はインフラが一変した。月内には復興道路として急ピッチで建設してきた三陸沿岸道路の大部分が開通する。港湾の整備も進み復興を後押しする基盤になっている◆来週木曜日に震災から10年を迎える。今後の課題は震災の教訓をどう伝えていくか。三陸地方を含む被災地には多くの震災遺構や伝承施設がある。それらを見て回る時、ぜひ東北の産学官が提唱する「伝承ツーリズム」として地元の名産品や観光地も楽しむことをお勧めしたい◆先月、福島県沖を震源とする最大震度6強の地震が発生し、いつ起きるか分からない自然災害の脅威を改めて実感した。震災の記憶は絶対に風化させてはならない。(か)

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