国土交通省四国地方整備局は、高知市浦戸の桂浜公園周辺の護岸再整備に向けた詳細検討に入る。
L字形の既設護岸(高さ約6メートル)を約4メートルかさ上げするとともに、耐震補強を実施。重力式の断面構造とし、天端が約4~5メートルに拡幅されることから、眺望を楽しむためのスペースや動線などを整備・確保する方針。2021年度に整備計画をまとめ、22年度以降に実施設計に着手する。
高知を代表する景勝地の桂浜公園周辺では、県や市が観光資源としての魅力向上に向けた再整備事業を展開。四国整備局も防災・減災の観点から津波防波堤の整備などを進めている。海岸保全施設の整備に向け、景観・利便性をテーマとした関係者らによる検討会が2日開かれ、今後の整備の方向性が固まった。
かさ上げを行う既設護岸(延長約410メートル)は、駐車場や売店エリアの北側と東側をL字形で囲んでいる。重力式の断面構造などを踏まえ、安全性や回遊性の向上、景観などに配慮したデザイン、付加機能の在り方を今後詰める。
周辺施設と連動した機能拡充では、釣り施設として開放を計画している桂浜防波堤(既設)、新設する津波防波堤とかさ上げ護岸を天端レベルでつなぎ、回遊性を高める歩行動線を確保する。スロープや転落防止策などの安全対策も講じる。
かさ上げ護岸のコンクリート直壁による圧迫感を緩和するため、表面のデザインやスロープ・階段の形状にも配慮。対応方針として、本体への笠石の設置や表面目地などで自然な陰影を付ける。他施設との接続部については、利用しやすい動線と優れたデザインを両立させる。
かさ上げ護岸の基本断面を含め、21年度末までに整備計画をまとめる。合わせて、設計中の津波防波堤(千松公園側、桂浜公園側)の親水性なども検討する。津波防波堤は22年度以降の工事着手を見込む。
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