2021年3月15日月曜日

【凜】日本下水道事業団関東・北陸総合事務所・田名網毬乃さん

  ◇感動を後輩に伝えたい◇

 浄化センターの増設や雨水幹線整備の施工管理を担当する新卒の1年目。現場で飛び交う専門用語に戸惑ったり、平面の図面を立体でイメージするのに苦労したりしながらも、「難しいことを1人で判断できるような技術者になりたい」と仕事と勉強に励んでいる。

 阪神大震災の被災地で育った。震災を身近に感じ、印象深いことが多くある。中学の卒業式の日に東日本大震災の地震と津波の被害に衝撃を受けた。土木系学科に進んだ大学では、カリキュラムに組み込まれていたこともあって防災士の資格を取得。避難訓練の誘導などで地域の人たちと防災や安全・安心に触れる時間を過ごした。地震や津波について学ぶ中で「防災の役に立つ仕事に携わりたい」と考え、水インフラの担い手を職場に決めた。

 コロナ禍の新人研修に苦労したが、「スケールの大きな土木構造物が、何もないところから出来上がる過程が見られて楽しい」と現場で感じている。施工管理だけでなく、水処理を巡る知識の習得も欠かせない。上司の運転で現場に向かう車中は仕事を学ぶ貴重な時間。土木技術者を志す後輩には「この仕事だから感動できることがある」とやりがいや魅力を伝えようと考えている。

 趣味は音楽鑑賞。ライブに行くのが難しい状況が続く。「形や色がもえる感じ」とお気に入りの有名な消波ブロックのある海を眺め、気分転換する。

 (施工管理課土木担当、たなあみ・まりの)

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