2022年12月9日金曜日

関東整備局富士川砂防/UAV自律飛行で砂防施設点検試行、山梨県内で実証実験

関東地方整備局富士川砂防事務所は、UAV(無人航空機)自律飛行による砂防施設の臨時点検の実証実験を11月30日に山梨県内で実施した。災害発生後などに山間部の砂防施設を速やかに点検するためドローンを半自動で飛行させ写真を撮影。砂防堰堤の変状確認などに活用する。写真測量の技術も活用して施設の3Dモデルも作成する。実証結果を整理し、2024年度にも点検要領(案)の本格運用を目指す。

実証実験を行ったのは春木川第一砂防堰堤付近(早川町)。施設点検用と3Dモデル作成用の2回に分けて、UAVを自律飛行させ画像を取得した。施設点検用ではあらかじめ設定した撮影範囲、画角、枚数を、機体に搭載したカメラで自動撮影。機材は一般的な「Phantom4 Pro」を使用した。障害物センサーも搭載し渓流内も比較的安全に飛行できるという。
3Dデータ取得に当たっては、測量作業に特化した「Phantom4 RTK」に機材を変え、より高精度に機体の位置を把握しつつ写真を撮影。静止画を重ね合わせて3DモデルをつくるSfM(Structure from Motion)の技術を用いて写真を処理した。3Dモデルを蓄積し、周辺地形の経年変化などの確認に生かす。
同事務所は、関東整備局のモデル砂防事務所としてUAVの自律飛行を活用した施設点検手法の検討を21年度から進めてきた。山間部の砂防施設は地上からの迅速な点検が難しく、ドローンの活用が期待される分野。自律飛行による点検が可能になれば災害時などに遠方から迅速な施設点検が可能になる。自律飛行のため操縦者の技量に左右されずに点検ができる。
同事務所は21年度、大武川水系をモデル渓流に指定し、地形情報の取得や点検手法の検討、施設の写真撮影などを経て点検要領(案)をまとめた。本年度は大武川で点検の実証を行うほか、春木川水系でも実証実験を行い効果と課題を検証。来年度以降も他の水系で同様の試行を行う方針だ。

施設点検(富士川砂防事務所提供)

source https://www.decn.co.jp/

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