2024年12月4日水曜日

国交省/改正業法で12月創設の技術者兼任ルールを具体化、連絡員の柔軟配置可能

 国土交通省は改正建設業法の今月中旬の施行分として創設する現場技術者の兼任制度の運用ルールをまとめた。監理技術者や主任技術者の専任が必要な現場で、特例的に兼任を容認する8項目の要件を具体化。例えば現場状況を確認するICT機器は一般的なスマートフォンなどで構わず、監理技術者などをサポートする「連絡員」は複数人を配置し柔軟に運用する方法を認める。低層マンションやリニューアルといった小規模現場が点在する場合にメリットが大きい制度になりそうだ。
 政省令で定める8要件を満たすレベル感や留意点を解説する「監理技術者制度運用マニュアル」の改定案を明らかにした。今月中旬の法施行に合わせ政省令とともに正式に公表する。
 兼任可能な特例のうちICTなどを活用する新たな制度を「専任特例1号」、監理技術者補佐を専任で設置する既存制度を「専任特例2号」と位置付け、両制度を併存させ運用する。特例1号と同じ要件で、営業所専任技術者による専任現場1カ所の兼任も可能とする。
 マニュアル改定案によると、工事途中で請負金額や下請次数の要件を逸脱した場合、以降の特例活用は認めない。兼任する2現場のうち一方が専任不要であっても全要件を満たす必要があり、その場合も2現場を超える兼任はできない。
 連絡員の定義や役割も明確化した。災害・事故対応時を含む円滑な施工管理の補助役として、例えば工程会議や品質検査が2現場で同時進行する場合、監理技術者などが遠隔から指示した内容を現場側に適切に伝達するなどの役割を想定。各工事に配置する際、1人による複数工事の掛け持ちや、1工事への複数人の配置を認める。施工管理の最終責任を請負会社が負うことを前提に、正社員に限らず出向社員や派遣社員の配置も可能とする。
 ICTの活用は「施工体制」と「現場状況」の二つを遠隔把握できることを要件とする。現場作業員の入退場は建設キャリアアップシステム(CCUS)かCCUSとAPI連携したシステムによる確認が望ましいが、ほかのシステムも排除しない。映像・音声で現場状況を確認し双方向でやりとりできれば一般的なスマホやタブレット端末、ウェブ会議システムも許容する。
 特例1号の活用現場では施工管理の手段や人員配置に関する計画書の作成や保存が必要で、国交省が参考様式を示す予定だ。




from 行政・団体 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=169454
via 日刊建設工業新聞

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