2024年12月2日月曜日

回転窓/読み継がれる名著

 日本漢字能力検定協会が2024年「今年の漢字」を募集している。その年の世相を漢字一字で表すもので、今年も京都・清水寺で12日発表される▼昨年に最多得票を集めたのは「税」。インボイス制度の開始や税を巡る議論が盛んだった年であり、国民の関心や不安を反映する結果となった。これに2位「暑」、3位「戦」などが続いた▼さてこの1年の世相を一字で表現するのは難しいが、例えば一つ挙げるとしたら「新」。新紙幣発行や新内閣発足、米大リーグで活躍する大谷翔平選手の新記録達成など、いずれも今年を象徴する出来事と言えよう▼新1万円札の顔となった渋沢栄一は近代日本経済の父と称される実業家で、社会福祉事業でも大きな功績を残した。新紙幣の発行が直接的な経済効果だけでなく、より豊かで人にやさしい持続可能な社会の実現につながるよう願いたい▼渋沢の思想が書かれた『論語と算盤』は、企業が利益のみを追求せず、道理にかなう経営で社会貢献することの大切さを説いている。道徳と経済の両立とは--。変化が激しいこの時代に読みたい、そしてこれからも読み継がれていく名著である。




from 論説・コラム – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=169420
via 日刊建設工業新聞

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