2018年3月6日火曜日

【記者手帖】地域の守り手を守れ

先月上旬、記録的な大雪に見舞われた福井県内を通る国道8号で最長3日間の車両の立ち往生が発生した。国土交通省近畿地方整備局は、県内での排除雪の対応をまとめた記者発表資料の副題を『除雪作業に活躍する建設業』と付けた◆近畿整備局の災害対応担当者は、地域の守り手として「建設業に光を当ててほしい」という思いを副題に込めた。自衛隊などと共同で現場の最前線に立ち、昼夜を問わず排除雪作業に従事した建設業者。だが、報道は車両の立ち往生が長期化している状況やその要因を伝える内容ばかりで、過酷な状況で作業に従事する建設業者の様子を伝える報道はほとんどなかった◆今回の排除雪作業では、地元建設会社のベテランの重機オペレーターが作業中に死亡した事故も発生した。原因は睡眠や休憩をほとんどとれず作業に従事したことによる過労もあるとみられている◆悲しい出来事の背景にあるのは、オペレーターの高齢化や後継者の不足といった問題。今回のような悲劇が二度と繰り返されないよう、地域の守り手を守るための議論が本格化してほしい。(か)

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