鉄道総合技術研究所(鉄道総研)は、列車通過時に生じる軌道変位を割り出す測定装置を開発した。専用車両を使わず、保守用車や営業車などに搭載するだけでレールのゆがみを把握する。鉄道総研が開発した車載型検測装置と比べても10分の1のコストで済む。遠隔操作機能を活用すると事務所などのパソコン画面で測定作業を指示できる。測定装置を駆使し、重大事故の防止につなげる。
装置の名称は「動的軌間・平面性測定装置TRACK2er(トラック・トラッカー)」。装置の心臓部であるセンサーユニットは、レールの位置を測定する「2Dセンサー」と軌道に対する傾きを補正する「角度センサー」で構成する。精度は軌間変位がプラスマイナス0・5ミリ、平面の変位はプラスマイナス1ミリ以内と軌道検測車と同等のレベルを確保している。
測定データはパソコン画面で確認可能で、事前に軌道修正を行うための目安値を設定できる。目安値を超過した箇所は赤色表示されるため、見落としも少ない。レール断面を写し出した形状図には変位算出で使用した測定点を表示。異常を確認した段階で測定による誤差か軌道変位かの判断に役立つ。
鉄道事業者は▽高低▽通り▽軌間▽水準▽平面性-の五つから軌道変位を測定している。軌道変位は荷重を伴わない静的変位と実際に車両を走行させる動的変位がある。脱線事故を未然に防ぐには動的変位の管理が有効だが、動的変位を把握するには事前の準備と専用の検測車を使用するなどの課題を抱えていた。
source https://www.decn.co.jp/?p=142384
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