関東地方整備局荒川調節池工事事務所は、大規模な築堤で使う土砂の運搬を大幅に効率化するため、AI技術によるシミュレーションを導入した。荒川調節池整備に携わる奥村組土木興業が開発し「R2荒川右岸古谷上築堤工事」に活用した。既存の交通量推計ソフトと道路交通モデリング技術を組み合わせ、短時間、低コストで技術開発にこぎ着けた。目視計測と比較検証した結果、十分な再現性を確認できたという。
交通量計測にはフューチャースタンダード社(東京都文京区、鳥海哲史社長)の「SCORER Traffic Counter」を活用した。土砂の仮置きヤードから築堤の現場までの間で、交差点に設置したカメラで撮影した映像をAIで解析し交通量を測定。この結果と、フォーラムエイト(東京都港区、伊藤裕二社長)のリアルタイム・シミュレーションソフト「UC-win/Road」を組み合わせ、交通シミュレーションの仕組みを構築した。
交通シミュレーションの活用により、交通量調査の効率性を高め、省人化も可能となる。天候に関係なくリアルタイムに土砂運搬で最適な数のダンプを割り出し、運搬終了時刻の正確な予測、モデリングによる交通の可視化、二酸化炭素(CO2)排出量の削減につながったという。
荒川調節池工事事務所はDX分野のモデル事務所で、BIM/CIMモデルの一般公開や3Dモデルの活用方策を公募するなど先進的な取り組みを行っている。本年度、事務所のロゴマークに建設DXの文字を加え、DXの取り組みに一層力を入れる方針だ。
source https://www.decn.co.jp/?p=142674
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