2022年5月11日水曜日

四国整備局/長安口ダム(徳島県那賀町)本体改造が完成、堤体切削量は国内最大級

 四国地方整備局が頻発する那賀川の洪水被害の軽減を目的に、2007年度から進めてきた長安口ダム(徳島県那賀町)の本体改造事業が完成した。ダムの運用を継続しながら堤体を切削し洪水吐きを増設する国内初の工事で、幅10メートル、高さ26メートル(うち固定部約6メートル)の国内最大級となるクレストゲートを2門設置した。主要工事は鹿島と鹿島・日立造船JV、IHIインフラシステムが施工した。総事業費は約390億円。
 既設ダムの切削は、左岸側で高さ約37メートル、幅約11メートル(体積約4680立方メートル)で、既設ダム堤体の切削量としては国内最大規模となった。予備ゲートを設置し工事中は仮締め切りとして使用した。確実な締め切りとなりダムを運用管理しながらの施工を可能にした。堤体にブラケット形式の底部架台を設置し、その上に予備ゲートを据え付けた。
 設計洪水流量は毎秒9200立方メートル、計画最大放流量は同7400立方メートル。他のダムと比べて減勢工の対象流量が大きいことから、増設したゲートからの放流水を既設ゲートからの放流水にぶつけて減勢する方式を採用した。予備ゲートの据え付け、減勢工の方法は国内初の方式となった。
 15日に現地で完成式を開く。前日の14日には相次ぐ台風被害を受け16年度に工事着手した加茂地区(徳島県阿南市)の那賀川床上浸水対策特別緊急事業の完成式が行われる。



source https://www.decn.co.jp/?p=142416

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