災害発生を前提に取るべき防災行動計画を時系列で整理する「タイムライン防災」の推進を目指す首長らが「タイムライン防災・全国ネットワーク国民会議」(議長・西田健三重県紀宝町長)を立ち上げた。タイムライン防災に取り組む関係者が連携を強化。情報交換を通じてタイムライン防災の実効性を高める。人材育成の推進や全国の防災機関への普及啓発活動も展開する。10日に東京都千代田区のホテルルポール麹町で設立総会を開いた=写真。
タイムライン防災はさまざまな自然災害を時間軸で考え、災害時の対応を具体的に示す防災行動計画。従来の防災計画を補完する仕組みとして、2014年に始まった。20年7月豪雨など実際の災害で活用され、人的被害の防止につながった事例もある。
同会議ではタイムライン防災の普及拡大や実効性向上を目指す。情報交換しながらタイムラインの運用スキルを高めたり、課題を解決したりする。タイムライン防災を地域で策定し、運用を支援する人材の育成支援にも力を注ぐ。
総会の冒頭、技術顧問の河田恵昭関西大学社会安全学部特別任命教授が「タイムライン防災を現実的にどう実行するか、知恵を出さないといけない」と指摘した。特別顧問を務める足立敏之参院議員はタイムライン防災の意義を踏まえ「国民会議の発足にまでつながり感慨無量だ」とあいさつ。特別顧問の太田昭宏元国土交通相が「ハザードマップとタイムライン、マイタイムラインをどう結び付けていくかが大事な課題だ。展望が見いだせるよう論議をし連携を強め、提言をいただきたい」と述べた。
総会では政府への要望事項を盛り込んだ決議文を採択した。決議文で政府の防災基本計画にタイムラインを活用した防災対策を位置付けるよう要請。地方自治体への支援を財政、技術両面で一段と拡充することも求めた。
タイムライン防災を提唱した松尾一郎東京大学大学院情報学環客員教授が「タイムライン防災・全国ネットワーク国民会議の目指すこと」をテーマに講演した。
source https://www.decn.co.jp/?p=142425
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