2022年5月17日火曜日

東北整備局/成瀬ダム(秋田県東成瀬村)が定礎、26年度完成めざす

 東北地方整備局が雄物川水系成瀬川の上流に建設している「成瀬ダム」(秋田県東成瀬村)が14日に定礎式を迎えた。完成すると台形CSGダムとして国内最大規模になる。堤体打設の進捗(しんちょく)率は2021年度末時点で約24%。最新鋭の土木技術を駆使し基礎掘削や打設を24時間体制で推進している。完成は26年度を予定している。
 堤体打設工事(第1期)は鹿島・前田建設・竹中土木JVが施工している。自動運転が可能な複数の建設機械で施工する次世代型建設生産システム「クワッドアクセル」など、最新の土木施工技術を投入。原石山採取工事(第1期)の施工は大成建設・佐藤工業・岩田地崎建設JV。原石山3Dモデルを使い毎月の掘削度量を自動計算し進捗管理を簡素化するなど、効率的で高品質な施工を推進している。
 定礎式は14日にダムサイトで開いた。国会議員や国土交通省、秋田県、東成瀬村、施工関係者ら約250人が出席した。秋田県の佐竹敬久知事は「雄物川流域は浸水や渇水で大きな被害を受けてきた。治水だけでなく利水の観点からもダムの早期完成が求められている」と述べた。
 式典では中山展宏国土交通副大臣のあいさつを井上智夫水管理・国土保全局長が代読した後、来賓が祝辞を述べた。続いて東北整備局成瀬ダム工事事務所の花篭利行所長が先導し、木やり歌に合わせて工事関係者が礎石を搬入して堤体の中心点に据えた。
 花篭所長の定礎宣言後、CSGを礎石の周りに置く「鎮定の儀」、CSGをならす「斎鏝の儀」、木づちで定石を打つ「斎槌の儀」を行った。鎮定の儀は井上局長、佐竹知事、高橋大秋田県横手市長、佐々木哲男東成瀬村長らが執り行った。斎鏝の儀は御法川信英衆院議員、石井浩郎、足立敏之両参院議員らが担った。
 斎槌の儀は鹿島の茅野正恭代表取締役副社長、前田建設の中西隆夫代表取締役専務執行役員、竹中土木の竹中祥悟社長、堤体打設JV工事事務所の奈須野恭伸所長、大成建設の田中茂義代表取締役副社長執行役員、佐藤工業の平間宏社長、岩田地崎建設の関博之代表取締役副社長、原石山採取工事作業所の池田千博所長が実施した。
 礎石が堤体と一体になるよう土砂をかぶせる「埋納の儀」では県の田中倫英建設部長らが礎石に土砂を盛った後、無人の大型ダンプでCSGを運び、自動運転のブルドーザーが敷きならすクワッドアクセルの技術を披露した。
 成瀬ダムは堤高114・5メートル、堤頂長755メートル、堤体積485万立方メートルの規模。総貯水量は7850万立方メートルを見込み、総事業費は2230億円を計画している。22年度は232億円を投入し本体建設や管理庁舎整備、取水・放流設備、国道付け替え舗装などの工事を予定。花篭所長は「地域の皆さんに協力していただきながら進めてきた。今後も関係者が一体になり早期完成に向け施工していく」と話した。



source https://www.decn.co.jp/?p=142587

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