2022年5月12日木曜日

建機大手4社22年3月期決算/3社が増収増益、北米・アジア中心に需要増

 建設機械メーカー大手4社(コマツ、日立建機、コベルコ建機、住友重機械工業のロジスティックス&コンストラクション部門)の2022年3月期決算が11日に出そろった。北米やアジアを中心にコロナ禍から経済活動が回復し建機需要が増加したことや、円安の影響で3社が増収増益となった。好調だった21年度だが、今期は不透明感が漂う。資材高騰や材料の調達難、ロシアのウクライナ侵攻などの影響がさまざまな部分に出てきそうだ。
 22年3月期の連結業績では、コマツは売上高が主力の建設機械・車両部門で2兆5643億円(前期比29・8%増)となった。一般建機と鉱山機械の需要が好調に推移した。日立建機の建設機械ビジネスセグメントの売上高は、9338億円(27・2%増)。世界全体で油圧ショベル需要が増加。鉱山の操業が正常化し、マイニング需要も堅調に推移した。営業利益は、物流コスト上昇などが影響したものの、損益改善や円安の影響で、コマツが前期比91・8%増、日立建機が同233・1%増となった。
 住友重機械工業のロジスティックス&コンストラクション部門は、国内市場の堅調な推移と北米地区の需要が増加した。コベルコ建機は、東南アジアと欧州を中心にインフラ投資の拡大で需要が回復して増収となったものの、調達コスト増加などで経常減益となった。
 各社の建設機械部門の23年3月期業績予想は、コマツやコベルコ建機が増収を予想するものの、日立建機は減収を見込む。ウクライナ危機の影響を見ると、コマツはロシア向け出荷を停止中で、現地での生産も止めている。22年度の独立国家共同体(CIS)地域の売上高は前期比63・7%減を見込む。コマツの小川啓之社長兼最高経営責任者(CEO)は「ロシア市場からの完全撤退は考えていない」としつつも、「はっきりとした方針があるわけではない」と説明する。日立建機も順次、ロシアでの生産と出荷を停止していく。両社ともロシアとCIS地域の売り上げが占める割合は小さいが、「(ウクライナ情勢による)資源価格の上昇は欧州市場に影響しそうだ」(日立建機の平野耕太郎社長兼CEO)と警戒の声が上がる。
 住友重機械工業は、22年度に決算期を「3月31日」から「12月31日」に変更する。22年4~12月の9カ月間の業績予想は、売上高3080億円、営業利益145億円。22年4月~23年3月の12カ月間の参考値は売上高3720億円、営業利益180億円を見込む。



source https://www.decn.co.jp/?p=142466

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