2030年までに40代の土木技術者が半数以下に減る見通しが、日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)の推計で分かった。会員企業で働く土木技術者のうち、20年時点で2割だった40代の割合は1割程度にまで減ると予測。40代の土木技術者には監理技術者や主任技術者、所長といった現場で重責を担う人も多い。こうした状況を踏まえ、日建連は公共発注機関に若手技術者の登用を促すモデル工事を提案していく。=2面に関連記事
推計結果は、20年9~10月に行った「土木技術者の年齢構成実態調査」の結果に基づき算出。公共工事委員会に参加している会員44社を対象に実施したところ43社が回答した。
20年時点で、43社に所属していた土木技術者は計2万8090人。40代の割合は24%を占めた。30年に土木技術者の総数が同じと仮定し年齢構成割合を試算した結果、40代は13ポイント減の11%に落ち込み、半数以下に減ると予測している。
40代以外の年齢構成割合は▽60代以上=15%(20年比増減無し)▽50代=24%(4ポイント低下)▽30代=22%(11ポイント上昇)▽20代=28%(6ポイント上昇)。こうした結果を受け、日建連では10年先を見据え現在20~30代の登用を促す必要があると判断した。
日建連は、一部の国土交通省地方整備局が監理技術者の不足を補完するため直轄工事で展開している「専任補助者制度」と、関東整備局が試行する「監理技術者育成交代モデル工事」の運用を組み合わせた、独自の「若手技術者登用促進モデル工事」を提案。16日から全国9地区で開く公共発注機関との意見交換会で伝えていく。
日建連が提案する若手技術者登用促進モデル工事は、落札後に受注者が専任補助者や監理技術者育成交代モデル工事といった制度を選択し、発注者と協議できるようにする。配置する若手技術者の実績要件を緩和。当初設定した工期の半分以上が経過すれば、監理技術者または主任技術者を、ベテランから若手に交代することを認める。ベテランは他の現場配置も可能にする。工事完了時、ベテラン、若手それぞれ監理・主任技術者として従事した期間を評価し成績評定に反映させる。同一現場の場合、監理・主任技術者の立場ではない期間も評価。若手登用やベテランの活躍を後押しする。
監理技術者も多い40代の土木技術者の不足は公共工事の品質確保に支障を来しかねない。日建連は若手の登用促進が必要として、独自に提案するモデル工事の実施を全公共発注機関に促す方針だ。
source https://www.decn.co.jp/?p=142379
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