工事現場に資機材を搬入する大型車両が公道に待機駐車する問題の解決を目指し、都市環境改善センター(代表理事・上坂元勇次ユーシン代表取締役)が提案活動を本格化している。道路高架下などにトラック数台が停車できる待機所を用意し、予約した工事関係車両が駐車する対策を提案。災害時には緊急支援施設として利用し、国土強靱化にもつなげるアイデアだ。国土交通省と東京都、警視庁との意見交換を始めており、具体化へ議論していく。
同センターは都市部の再開発工事に伴う交通問題や環境問題の改善を図り、カーボンニュートラル(CN)実現などに貢献する狙いから昨年9月に発足した。
資材搬入車両を巡っては、指定時間ちょうどに現場に到着するよう近接地などの道路で待機し、交通渋滞や交通事故が発生している。警視庁によると、「違法駐車は交通の安全と円滑を阻害する大きな問題点。待機場所の確保を指導している」(交通部)状況がある。工事現場で待機先を確保しているケースもあるが、十分なスペースの準備は難しいのが実情。路上待機車両を取り締まっても、別の場所に移動して待機すれば根本解決には至らない。
このため同センターは幹線道路などの高架下や公園、公共駐車場、河川敷などの既存インフラ施設の隙間空間を利用して、トラック2~5台程度が駐車できる場所を確保するアイデアを考えた。待機所は指定法人が運営管理し、会員登録した工事現場の関係車両だけが利用するイメージだ。多数の待機所を分散して配置することで利便性を高める。
待機所には休憩施設やトイレ、飲料・軽食自動販売機などを会員向けに用意し、トラック運転手の労働環境改善につなげる。アイドリングストップの徹底などでCN対策にも貢献する。災害時には施設を市民に開放して帰宅困難者などを支援する。
実現には国や自治体との調整、法整備などが必要とみており、関係行政機関との意見交換会を始めた。初回の11日には、国交省の都市局まちづくり推進課と不動産・建設経済局建設業課、東京都都市整備局、警視庁の交通部駐車対策課、交通規制課の幹部らが参加した。社会実験の実施に向けて協議会の立ち上げを見据える。上坂元代表理事は「地球環境対策と災害に強い強靱化された都市づくりにつなげたい」と話している。
source https://www.decn.co.jp/?p=142490
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