JR東海は30日、リニア中央新幹線の中間駅で唯一の地下構造を持つ「神奈川県駅(仮称)」(相模原市緑区)の工事現場を報道公開した。二つの開削工法を使って地下を掘り進め、駅舎などが入る深さ約30メートルの函体を整備。奥村組・東急建設・京王建設JVが施工を担当している。2019年11月にスタートした工事は本年度中に中央部分の掘削を完了する予定で、その後は函体の構築に着手する計画だ。
神奈川県駅の計画地はJR横浜、相模両線と京王相模原線が乗り入れる橋本駅に近接する。移転した県立相原高校跡地を中心に、西側を通る国道16号とが交差する敷地に3層構造の函体を整備。函体の延長は約680メートル、最大幅が約50メートル。二つの開削工法を使って地下30メートルまで掘り進め、ホーム2面(線路4線)を整備する。4カ所設置する中間駅のうち、初弾に起工した案件だ。
周囲に建物が立地する橋本駅と国道側の両端部は、地上から仮設の土留め壁を構築する。支保工で土留め壁を支えながら段階的に掘削する。敷地が狭い都市部で採用しやすい工法という。構造物が近接していない敷地のほぼ中央は、のり面状に掘削後、アンカーで支持する形で土留め壁を構築。作業ヤードを十分確保できるというメリットを生かしながら施工を行っている。
現時点で約半分の地下約17メートルまで掘削が完了し、地下部分には土砂や資材運搬時に使用する仮設桟橋の橋脚などが設置されている。函体構築後は掘削した土を埋め戻す。工期は27年3月31日まで。
JR東海中央新幹線建設部中央新幹線神奈川工事事務所の吉川太郎担当課長は「工事は順調に進んでいる」と進捗(しんちょく)状況を総括。今後も「安全に気を配りながら、着実に工事を進めていく」とコメントしている。
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