2022年5月30日月曜日

大成建設/固化改良地盤の強度を原位置で早期に把握できる装置開発

 大成建設は、軟弱地盤にセメントなどを添加・混合した固化改良地盤の強度を原位置で測定できる装置を開発した。地盤強度の最終的な性能評価に必要な一軸圧縮試験(JIS規定)に先立ち、簡易試験としても使われる「針貫入試験」に着目。原位置地盤に設けた孔内に針貫入装置を搭載した円柱形の測定装置を挿入し自動で試験を行う。容易に多点の実測強度分布データを取得でき、早期に地盤強度が把握できる。
 現行の性能評価は、固化改良地盤を造成し地盤が固化した段階でコアボーリングを実施。円柱の供試体に整形し一軸圧縮試験を行う。供試体は高さ10センチ程度が必要で1メートル当たり9点程度しか採取できず、手作業のため測定まで最低2日かかる。改良地盤の要求性能は一軸圧縮試験で評価するが、固化改良地盤の造成から28日後に強度が判明するため、強度不足の場合に工期に影響を及ぼすことがあった。
 開発した装置「T-GeoPenester(ティー・ジオペネスター)」は直径108ミリ、高さ413ミリでカメラを搭載。固化改良地盤に設けた孔内を深度方向、円周方向に自動で移動する装置を挿入し固定する。一軸圧縮強度と相関がある地盤工学会基準の針貫入試験を行う。
 1カ所当たり測定時間は約2分と短く、複数の測定位置の地盤強度が迅速に把握できる。測定データや画像の確認はパソコンでリアルタイムに行える。深度方向の測定間隔を2センチとした場合、1メートル当たり50点の強度分布データを約1時間半で取得できるという。
 同一孔内の同一深度で貫入装置を回転させることで繰り返し地盤強度を測定でき、同一箇所で強度変化の把握も可能だ。施工後1週間程度の早期材齢の地盤強度を基に28日後の材齢強度を高精度に推定。地盤強度の確認時期を早めることで施工の手戻りリスクを低減できる。
 今後は性能評価技術をさらに高め、実績を重ねることで一軸圧縮試験の代替として標準化を目指す。



source https://www.decn.co.jp/?p=143020

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